タンニン染めについて

タンニン染めについて

イタリア産チェストナットのタンニンの粉 戦前から初代が事業を始め、1966年より3代に渡り続く京都東寺の近くにある町工場で生地を染めています。
豊富な地下水脈から汲み上げた水を使っていますが、一切の化学染料や顔料などを使用していないので、染色後の汚水問題にも配慮しています。
タンニンは天然の樹脂なので生地の仕上がりがしっかりしてヘタリ感がありません。
密度の混んだ織物にタンニンの粉を染み込ませる作業は化学染料を染める数倍の手間伱がかかる職人技です。

イタリア産チェストナットのタンニンの粉

タンニンの粉を熱湯で攪拌している状態 植物が外敵から身を守るために持っているポリフェノールという組織がタンニンです。
腐り難い栗の樹や虫を寄せ付けないミモザなどを使って、皮をなめして腐らない様にしたり、柔らかな風合いにするためにも古くから使われてきました。
日本では柿渋が防水防腐剤染色材として一般的に使われてきました。
私たちは、アフリカやイタリアから輸入したミモザや樹齢100年以上のチェストナットの樹から採取した、革の工場で使われているタンニンの粉を使って帆布を染めています。

タンニンの粉を熱湯で攪拌している状態

職人の技と時間

タンクに入れたタンニンパウダーを熱湯で溶かし、かき混ぜながら生地にしみ込ませます。
この時には特別な浸透剤などは使いません。
50mの生地をつなぎ合わせて、300m程生地を染めます。
ジッガー染色機でタンクの中で巻き込んだり、巻き戻しを3~5時間続けます。
これは長年の職人の勘で進める作業です。
最後に色止めも兼ねて、媒染剤を入れて色を変化させます。
糸の撚りが緩いもの、織り込みが緩いものは繊維の中に入りやすいので、濃度が濃く上がります。
ですが、私たちの使う帆布は糸を2~4本撚ったものがシャトル織機でシッカリ打ち込まれていますから、糸の中にタンニンが入り難く色が入るまでに時間がかかってしまいます。
職人の技と時間が作り出す、唯一無二の素材なのです。